新商品、新製品を売るのであれば見込み客リストを捨てろ

黒い縞模様のスーツとネクタイを着たソフトブレーン・サービス株式会社 野部剛が、ターコイズブルーの背景の前で話しています。日本語のテキストには「新商品」(新製品)や「伝統的」(伝統的)などのフレーズが含まれており、警戒客リスト(見込み客リスト)に連絡することの重要性が強調されています。


ソフトブレイン・サービスの野部剛氏が、従来の見込み客リストに依存する方法がなぜ非効率的であるか、そしてどのようにしてこの課題を克服するかを深く掘り下げます。マーケットの僅か2.5%を占めるイノベーターと、その後に続く13.5%のアーリーアダプター、そして市場の大部分を占めるアーリーマジョリティへのアプローチ方法を解説します。これらのグループにどのようにアプローチし、彼らの関心を引き、購買へと導くかが詳述されています。新しい製品やサービスを市場に打ち出す際の一般的な方法論を根底から覆し、成功への道を新たな視点で照らし出します。営業やマーケティングの専門家はもちろん、新しいアイディアを市場に導入しようとするすべての起業家やイノベーターにとって、貴重な洞察と実践的な知識が詰まった内容です。こちらの動画はエナスキに掲載しております。是非一度ご覧ください。


野部剛 こんにちは、プロセスマネージメント大学のオープンキャンパスにようこそ。営業科学をするソフトブレイン・サービスの野部剛でございます。

本日は、「新商品新製品を売るのであれば見込み客リストを捨てろ!」という話をしたいと思います。

なぜこのような話をするかというと、新しい新製品新サービスを売ろうとした時に、いろんな見込み客を考えて、膨大なリストアップをする方がすごく多いんですね。ところが、これをアから順番に当たっても、なかなか受注に繋がらないという話をよく聞きます。それは間違いが起こってるからです。その話をちょっと今日はしたいと思います。

では参りましょう。早速ですが、皆さんにプロダクトライフサイクルあるいはイノベーター理論までの話を皆さんが聞いたことがあるんじゃないかなと思うんですけど、ご存知ない方もいらっしゃるので、お話をしたいと思います。スライドに参ります。

日本語の表は、製品ライフサイクルとイノベーター理論を示しています。導入期、成長期、成熟期、衰退期に段階を分けています。各列には、各段階における新製品のターゲット顧客、市場シェア、顧客特性に関する詳細が記載されています。

こちらご覧いただきまして、実は新製品新サービスを売ろうとした時に、全員が見込み客になるわけじゃ実はないんですね。最初に買っていただける方というのは、イノベーターと言われる方で、世の中のマーケットの2.5%しかいないんです。

この2.5%しかいないイノベーターというのは、どういう人なのかというと、もうとにかく新しもの好きです。周りがどうあれ関係ない、逆に「俺だけは、自分だけは、うちだけは」と、もうとにかく違ったことしたい新しいことね。ゆえに営業さんは、新しさを訴求する確信性とか、他とは違う「あなただけです」というそういう話をしないと買っていただけないんですね。

もっと言うと、最初に勇気を持って買う方は、こういう方だけです。じゃあその2.5%が買っていただけた後、じゃあ誰が買ってくれるのかと言うと、これをアーリーアダプターという言い方するんですけども、言い換えればオピニオンリーダーですね。

これが13.5%です。あ、これは流行になるんじゃないかということで、アンテナが高い方で、自ら情報収集を行いながら判断してきます。特にいいと分かれば、自分の口コミ、紹介、インフルエンスしていただけるんですね。この方々にはとにかく、そのメリット、価値、線形性を伝える。

そして、「キャズム」という言い方しますが、この16%ラインを超えて初めて、皆さんのその新規事業新製品新サービスは儲かり始めます。成長期に入って、アーリーマジョリティと言われる方々が買っていただけるようになるんですが、この方々は34%です。

じゃあこの方々はどういう方々かって言うと、もうすでに実績派なんですね。ゆえに先行事例がないと他社が買ってるんだなということを見て、初めて買う方々なので、メリットだけ訴求しても買えないということになります。

黒いストライプのスーツとネクタイを締めた男性が机に座り、2本の指を立ててジェスチャーをしている。彼の後ろには「SBS」と「PM」の繰り返し模様の背景がある。画像の下部には新製品に関する日本語のテキストが表示されている。

はい、皆さんに申し上げたいことは、最初に買っていただける方というのはわずか2.5%しかいない、その方々を絞り込まない限り何の営業成果も出ないんですね。ですから、対象マーケットの500件600件をいきなりリストアップするんじゃなくて、2.5%に該当する10件ないし5件、こういうところを絞り込んでリストアップするということがとても実は重要なんじゃないかなという風に思うわけです。

で、ある一定進んできた時に、16%ラインを超えた時には、事例がないと売れないですから、皆さんの中で採用事例だとか、導入事例だとかという事例を数々きちんと作り上げていく、逆を言えば最終的にそういう方々に事例を使って売っていくためにも、先行してイノベーターアーリーアダプターというフラッグシップになるような顧客をピンポイントで狙い打ちしていくということをして、事例を作らないとその後を継続して売れていくことができないということになります。

はい、今日のところは、新商品新製品を売るんであればリストを一旦捨てなさいという話でございました。
全部じゃないんですけど、97.5%は一旦捨てていただいて後回しにしていただいて、2.5%だけに当たるということをやっていただければなということでございました。

では、以上でございます。ありがとうございました。


野部
ソフトブレーン・サービス株式会社 代表取締役社長
  • 現職: ソフトブレーン・サービス株式会社 代表取締役社長、一般財団法人プロセスマネジメント財団 代表理事
  • 経歴:
    • 早稲田大学卒業
    • 野村證券入社、本店勤務、リテール営業でトップ営業マン
    • 2005年5月: ソフトブレーン・サービス株式会社入社
    • 2010年7月: 同社代表取締役社長就任
  • 著書:
    • 『はじめての「営業」1年生』(明日香出版社)
    • 『営業は準備力: トップセールスマンが大切にしている営業の基本』(東洋経済新報社)
    • 『90日間でトップセールスマンになれる最強の営業術』(東洋経済新報社)
    • 『成果にこだわる営業マネージャーは「目標」から逆算する!』(同文舘出版)
  • 会社概要: ソフトブレーン・サービス株式会社(SBS)は、「営業プロセスマネジメント」のパイオニアで、国内30万人が実践。科学的組織営業への変革を目指す企業に対し、戦略から実行可能な戦術まで提供するコンサルティング会社。
エナスキ

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