今日は、科学的組織営業というテーマで、プロセスマネージメントについてお話しします。この記事では製造業の例を用いて、プロセスの重要性について説明します。例えばパン工場の例を通じて、プロセスが製品の品質にどのように影響するかを見ていきましょう。プロセスは、単なる手順ではなく、望む結果を得るための重要なステップです。しかし、プロセスマネージメントの真の力は、具体的な指標に基づく管理にあります。「きっちり」「しっかり」といった曖昧な指示ではなく、明確な指標を設定し、それに基づいて行動することが重要です。これは、製造業だけでなく、営業など他の分野にも適用可能です。目標から逆算してプロセスを設計し、KPI(キーパフォーマンスインディケーター)を用いて管理することで、営業プロセスも効率的になります。このアプローチは、新規開拓からアカウント営業まで、あらゆる営業活動に応用できます。感覚や精神論に頼るのではなく、科学的なアプローチで営業を行うことを目指しています。この動画を通じて、皆さんもその方法を学び、実践していただければと思います。こちらの動画はエナスキに掲載しております。是非一度ご覧ください。
野部剛 こんにちは、プロセスマネージメント大学のオープンキャンパスにようこそ。営業を科学 する「ソフトブレーンサービス」の野部剛でございます。
さて、本日は皆様にプロセスマネージメントについて、聞いたことのある方もいらっしゃるかもしれませんね。
科学的組織営業について、皆さんに少しお話を申し上げたいと思います。
さて、我々がご説明するをするにあたって、こちらのスライドとパン工場を使ってご説明をすることが多いんですが、製造業において、パン工場でまず水、小麦粉、イースト菌というのが届きますよね。そして、美味しいパンが出荷されてくるわけです。その時に、まず「プロセス」というものがあるわけですね。プロセスというのは、配合、こねる、発酵、焼くというのがこれ「プロセス」です。
なぜプロセスと呼ぶかというと、例えば、発酵というプロセスをやめたり、こねると焼くの順番を変えたりすると、おいしいパンは出来上がりませんね。ということで、やはり望む結果に至るためには、それに至るためのしかるべきプロセス手順、工程っていうのがあるんですよね。ですから、まずプロセスというものをきちんと設計しましょうっていうのが、当然製造業であるわけです。
さて、その上で皆さんにちょっと問題にしたいことがあります。プロセスはあるとして、じゃあこねるというライン、これ当然機械でこねているケースが多いんですが、じゃあそこで、こねるというラインマネージャーが手でこねている人たちがいたとして、「しっかり」こねなさいとか、「きっちり」こねなさいとか、ちゃんとこれなさい、これちょっと皆さんにお伝えしたいんですが、
「きっちり」とか「しっかり」とか「ちゃんと」、こういう言葉を多様する人はちょっと危険です。
何が危険かと言うと、何も伝わってない可能性があるんです。どういうことかというと、当然こねるには回数という指標があるわけです。
ちゃんとこねるっていうのは、何回こねるのがちゃんとこねたことになるのか、配合なら割合、発酵なら時間、焼くなら温度、こういう指標に基づいて取り組むわけです。
例えば皆さん、熱があるかないか、これ皆さんどうやって確認しますか?今時、あれですね、額と額をくっつけて「うん、熱があるね」となんてやりませんよね(笑)
どうやってるかというと、当然今だと非接触で、ピッとやって37.5度って出ます。出てくるのは数字ですけど、その指標に基づいて「これは異常値だな」とか「これは健康だな」という判断をするわけです。
ですから、製造業においても、例えばこねるのが100回こねるのが美味しいこねる回数だとしたら、60回でやめちゃう子を見たら「ちゃんとこねなさい」というわけではなく、「あと40回こねなさい」というわけです。
逆に300回こねちゃった人がいたら、「もうやめて、次は100回でやめてね」という話です。これが「プロセスマネージメント」における「科学的なマネージメント」です。
是非皆さんにお願いしたいことは、精神論や感覚論で「ちゃんと」とか「きっちり」とか「しっかり」とか、そういう言葉を多様するのではなく、具体的に定量的に指標を持ってマネージメントをしていただきたい。
じゃあその時のコツは何かと言うと、1つが目標から逆算をすること。
望む結果から逆算してプロセスを設計すること、同時に先行管理指標としてのKPI、つまりキーパフォーマンスインディケーターを持ってマネージメントをすることです。
営業でも、当然皆さんの会社で、何らかプロセスが設計できるかと思います。ターゲット選定をしてお客様とお会いし、引き合い案件を作り、提案をし、見積もりを出し、競合は排除し、ご内示いただいたら受注契約に至るという、このプロセスが何らかあるかと思います。
じゃあいつまでにどれぐらいどんな行動をすればいいのか?
ちゃんと営業しなさいとかきっちりやりなさいとか、しっかり聞いてきなさいではなく、それを指標化していくことが大事なんじゃないかと思います。
で、この取り組みは、特別な取り組みではございません。新規開拓や案件型の営業に活動においても、あるいはルートセールスやアカウント営業など、顧客進行型の営業においても、プロセスマネージメントというのは、それぞれの業種、業態、ビジネスモデルに合わせてアレンジメントをしながら、科学的に指標に基づいてマネージメントをするということをやっていただいております。
きっと皆さんの会社においても、何らか精神論、根性論ではなく、感覚論でしっかり、きっちり、ちゃんと、じゃなくて、指標に基づいてちゃんとできてるか、できてないか、というのをマネージメントできるポイントがあるんじゃないかなと思います。
そういうものをきちんと見つけていって、進めていければなと思っております。科学的に営業するということを、是非皆さんと一緒に進めていければなと思っております。
では、以上でございます。ありがとうございました。
- 現職: ソフトブレーン・サービス株式会社 代表取締役社長、一般財団法人プロセスマネジメント財団 代表理事
- 経歴:
- 早稲田大学卒業
- 野村證券入社、本店勤務、リテール営業でトップ営業マン
- 2005年5月: ソフトブレーン・サービス株式会社入社
- 2010年7月: 同社代表取締役社長就任
- 著書:
- 『はじめての「営業」1年生』(明日香出版社)
- 『営業は準備力: トップセールスマンが大切にしている営業の基本』(東洋経済新報社)
- 『90日間でトップセールスマンになれる最強の営業術』(東洋経済新報社)
- 『成果にこだわる営業マネージャーは「目標」から逆算する!』(同文舘出版)
- 会社概要: ソフトブレーン・サービス株式会社(SBS)は、「営業プロセスマネジメント」のパイオニアで、国内30万人が実践。科学的組織営業への変革を目指す企業に対し、戦略から実行可能な戦術まで提供するコンサルティング会社。