こんな研修講師には騙されるな!

テキストと指差し男性を含む日本のプロモーション画像。上部のテキストには「研修講師の誤情報に注意」と書かれており、「騙されるな」という警告が追加されています。真ん中のテキストには「メラビアンの法則」と「カッチャー効果」と書かれています。ソフトブレーン・サービス株式会社野部剛


現代のビジネス環境において、研修やセミナーは重要な役割を果たしています。しかし、情報の氾濫するこの時代において、信頼できる情報源と不正確な情報源を見分けることがますます困難になってきています。今日の動画では、営業科学を教授するプロセスマネージメント大学のソフトブレイン・サービス野部剛氏が、一部の研修講師が用いる誤解されやすい法則について解説します。特に、「メラビアンの法則」と「カチッサー効果」に焦点を当て、これらの法則がビジネスやコミュニケーションにおいてどのように誤用されているかを詳しく説明します。真実を追究し、正しい知識を得ることの重要性を強調しながら、誤解を招く情報からいかにして身を守るかを皆さんにお伝えします。こちらの動画はエナスキに掲載しております。是非一度ご覧ください。


野部剛 こんにちは、プロセスマネージメント大学のオープンキャンパスにようこそ。営業科学をするソフトブレイン・サービスの野部剛でございます。

今回のテーマは、「こんな研修講師には騙されるな!」という話でございます。

いろんな研修がある中でいろんな話をされる方がいるんですけども、残念ながらちょっと不勉強なお話をされているんじゃないかなというケースが一部ございます。

有名なもので言うとメラビアンの法則、これを正しい理解をしないまま話される方も多いんですが、それに並んでよく不勉強な研修講師が言う法則っていうのが「カチッサー効果」です。

これでございます。聞いたことありますかね。カチッサー効果をどんな説明をするかというと、何か本物の理由じゃなくてもいいから、理由っぽいものをつけてでもいいから理由をつけてお客様にお願いをすると、その要求を承諾してくれる確率が高まるっていう言い方をするんですね。

スーツを着た人物がテーブルに座り、腕を「X」の形に組んでいる。背景には「SBS」と「!!」のロゴパターンが繰り返されている。下部には日本語で「大嘘です!! 騙されるな」と青い文字で書かれている。テーブルの上にはノートパソコンとリモコンが置かれている。

大嘘です。

はい、これは嘘、残念です。

理由を一生懸命つけましょうね、っていうことは説明としては正しいです。これは丸です。それは多分やった方がいいこと。

ただし、営業活動においてですね、少額のものじゃなくてですよ、どちらかというと高額の商材になればなるほど、基本的に皆さんがビジネスされているものっていうのは、お客様真剣に購買行動を考えますよね。

10円、20円、100円、200円のもの売ってるわけじゃないですね。皆さんが一生懸命だとすると真剣に購買検討するもので、流れっぽいもの、本物の理由じゃないけども、理由っぽいものをつければ承諾率が上がるっていうのは、これは嘘でございます。

さあ、じゃあそれは何なのか、真実を皆さんにお見せしたいと思います。こちらです!

研修講師に最適な日本語の「カチッサー効果」というタイトルのスライドでは、行動の背後にある心理的推論の概要が説明されています。単純な要求、合理的な要求、「理由」を付けた不当な要求の 3 つのパターンのコピー要求を順守する可能性を示すパーセンテージで示しています。 騙されるな!

カチッサー効果って言ってもですね、実験は実は2種類行われてるんですね。

で、よく言われてるものっていうのが、これ、コピーでですね、5枚の場合の話なんです。

え、大学でこれ、古い実験なんですけども、今時どうなんだっていう話ではございますが、5枚のコピーをしたい時にですね、大学の試験前ってコピー機の前にみんなが並んでたんですね。

当時スマホも写真もないですから。で、その時に要求のみ伝えた場合

「すいません、5枚なんですけど、先にコピー取らせてもらいませんか」と言うと60%しか承諾がいただけなかったものが、本物の理由をつけると「急いでいるんで、先にコピー取らせませんか」と言うと94%が承諾をしてくれる。

そして、もっともらしい理由をつける、本物の理由じゃないんですよ。例えば「すいません、5枚なんですけど、コピーを取らなくちゃいけないので、先にコピーを取らせてもらえませんか」と言うんですね。

この日本語、どうなんやねんて話なんですけど、でも、この「コピーを取らなければいけないので」という理由にもならない理由をつけただけで93%まで承諾率が跳ね上がるという事実を持って、もう何でもいいから理由っぽいもの「ほにゃららなので」と言えば、お客様相手は承諾してくれる可能性が高いよ、って言うんですね。

でも違います。20枚の場合の話を見てほしいんですけど、1がね、要求のみの場合24%、本物の理由をつけた場合が42%に上がるんですが、ここ変わらないんですけど、もっともらしい理由の場合、理由にもならない理由をつけてもやっぱり24%なんですよね。

やっぱり変わらないという、変わってないじゃないかって話なんです。ですから皆さんにお願いしたいことは、「ほにゃららなので、ほにゃららしてもらえませんか?」と、そういうことで理由をつけると承諾がされやすいっていうことはもちろんあるんですけども、それは些細な頼み事の場合だけよ!ということなので、それが真実でございます。

皆様、いろんな形でですね、本を読んだり、研修を受けたりとかいろんな形で学習することがあると思います。その1部分だけを切り取るとなんかそれっぽく聞こえてしまうんですけども、正しく調べて学習して理解することがないと、ちょっと騙されちゃうっていうこともあるかもしれませんので、お気をつけいただければと思います。

スーツとネクタイ姿の男性が机に座り、笑顔で話している。彼の後ろには「PM」と「SBS」の文字が入ったロゴが描かれた背景がある。画像の下部には日本語の文字が表示されており、彼が研修講師であることを示していると思われる。

いかがでしたでしょうか。今日はここまでにしたいと思います。また会いましょう。ありがとうございました。


野部
ソフトブレーン・サービス株式会社 代表取締役社長
  • 現職: ソフトブレーン・サービス株式会社 代表取締役社長、一般財団法人プロセスマネジメント財団 代表理事
  • 経歴:
    • 早稲田大学卒業
    • 野村證券入社、本店勤務、リテール営業でトップ営業マン
    • 2005年5月: ソフトブレーン・サービス株式会社入社
    • 2010年7月: 同社代表取締役社長就任
  • 著書:
    • 『はじめての「営業」1年生』(明日香出版社)
    • 『営業は準備力: トップセールスマンが大切にしている営業の基本』(東洋経済新報社)
    • 『90日間でトップセールスマンになれる最強の営業術』(東洋経済新報社)
    • 『成果にこだわる営業マネージャーは「目標」から逆算する!』(同文舘出版)
  • 会社概要: ソフトブレーン・サービス株式会社(SBS)は、「営業プロセスマネジメント」のパイオニアで、国内30万人が実践。科学的組織営業への変革を目指す企業に対し、戦略から実行可能な戦術まで提供するコンサルティング会社。
エナスキ

テキストのコピーはできません。
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